おてんば姫の1日をご紹介
お転婆姫は今、6歳なのだ
もうすぐ小学生になるぞ
撮影前日に前歯が抜けたのだ!
もう1本もグラグラしていて
とっても痛いのだ
痛くてお昼ご飯食べるのに時間かかって
さらには、袴も忘れて
1時間も遅刻したのだ
それでも、そんな笑顔をされたら
爺は、怒れないのです。
「歯が痛くても
団子は食べるのじゃ」
「あ~!姫
撮影終わるまで
食べちゃだめって言ったのに
1つ食べたでしょー」
姫は、食いしん坊なのだ
「じい、三色団子を食べた後には抹茶が飲みたいのだ」
「かしこまりました、姫」
「姫、抹茶のお味はいかがでしょうか」
「・・・・・・・」
「えっ・・・・」
「姫は、やはりまだまだおこちゃまですな」
「ジイ~、暇だのう」
「お手玉も飽きたぞよ」
「何か他に楽しい事はないか」
「姫、ちまたでは今、ロウバイと梅が咲いているようでございまする」
「よし、そこに連れて行け」
「着替えて、直ぐに行くぞ」
「はよーせい、爺」
「えー・・・、遅れてきたのは姫でございまするよ」
「じい~ーー!!」
「姫~!、落ちないようにお気を付けください」
姫は、時折とても寂し気な表情になる
爺は、とても心配になるのです
姫がどこかに行ってしまわないか
爺の余命は残り少ないです
どうかそれまでは、城に居て下され
20回に1回くらいだけ
しかも数秒間だけという
ほんの短い時間だけ
爺の言う事を聞いてくれる姫
その時は、それはそれは
とてもいい写真が撮れるのです
「姫、今のポージングは、もう終わりですか?」
「もう、やったではないか」
「爺の腕では、そんな直ぐに撮れぬでございます」
「爺は、いつまでたっても腕が上がらぬの~」
「大変申し訳ございません。姫、どーかもう一度やって下さい。」
「もう、やらぬ。出直してまいれ」
「涙・・・」
何を着ても似合う
お転婆姫の1日でした。
袋井写真教室
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